ユナイテッド・シネマ今治で上映中です。
水原希子が、田舎出身で苦労する役?
あれだけ、綺麗な女の子なら何の苦労も無いんじゃないの?
ところが、そんな違和感は最初の15秒だけ、ピッタリ役にハマってるのです。
凄い!
帰ってから、香里(家内)に話したら、
水原希子が貴族じゃないの?門脇麦の方が貴族?そうなん。
「ところで、どっちが勝ったの?」
そういう、物語ではありません。
どうやら、私たち夫婦は、骨の髄まで既成概念が、刷り込まれているようです。
女の子は綺麗なら苦労しない。
同じ男と付き合う女同士は、争いあう。 ああ、昭和枯れすすき
婚期が迫る良家の子女の物語「細雪」とかあったなあ。
でも、全然違う作品です。
今まで観てきた日本の「女性映画」ってなんだったんだろう。
それらに刷り込まれてしまった、私の脳みそ。
まさに、ちゃぶ台返し的な破壊力を持った傑作映画です。

満点!
田舎の裕福でない家庭の描写、タッパーに入れた漬物を直接箸でつまむ。
田舎のホテルの同級会の様子。結婚式披露宴で馬鹿騒ぎ。
あるある満載で、細かなエピソードがリアルで、丁寧です。
田舎の描写が的確ならば「貴族」側の描写も的確なのでは?
と思う、田舎在住男(60代)
着てる洋服の生地の高級感、アクセサリー、ホテルのアフタヌーンティーの様子。
そして、門脇麦も見事です。素晴らしいです。
昭和の映画で、高級フランス料理店のテーブルの上に、タバスコが置かれていたり、
良家の子女が、やたらと最新モード服だったり。
そう言う間違いはないように思います。
女性の問題=男性の問題
男側の問題を一人で背負う、高良健吾も見事です。
また「貴族」のもう一つ上の階級があるんですね。同じじゃないんですね。
その描き分けが、上手に出来ています。素晴らしいです。
「あの人たちが日本を動かしてる」と語られます。
単に、ジェンダー問題だけでなくて、
日本の病の源にまで迫ります。
皆さんにお勧めしたい、素晴らしい作品です。
今年は、

の日本映画を早くも2本観ました。
「女性料理人らしい繊細な料理」と言う表現には疑問を持っています。
「男性料理人らしい粗雑な料理」が存在しないからです。
ですが、女性監督らしい視点というのは、あると思います。
今まで、世界中で作られてきた映画の100%近くは、男性監督らしい視点ですね。
女性が社会で活躍すると、文化は豊かになります。
今年、日本映画界がそれを証明しました。
頑張ろうと希望をもらえる映画です。
とりわけ、東京で一人頑張ってる同い年の私の娘に観てもらいたい。
大昔に渋谷の奥の方の(表か?)松濤にある一軒家のフランス料理店に行った時、
この辺りのお屋敷には、どんな人達が住んでるのだろう?と思ったものです。
今回、その人達の生活が垣間見れてとても興味深かったです。
東京では「貴族」と「田舎出身者」が棲み分けられているので、
お互いに、出会う機会が無い。
そうなんだ、確かに今治の高校を出て東京の水道屋の専門学校に行った時、
金持ちの子供はいたけど、貴族はいなかった。
同じく、東京での調理場生活に入ってからも、周りに貴族は一人も居なかった。
大阪弁での、スピード感のあるコミカルな名シーンがあるのですが、
大阪の飲食店でアルバイト生活をしてた時の事を思い出した。
牛乳屋さんの息子という、常連の大学生。
両親が、イタリア旅行のお土産に、グッチの皮コートを買ってきてくれた。
それ、なんぼするん?
50万。
50万!?
日本で買うたら、80万やで。
そうなんやー。。。。
漫才みたいに会話してたのに止まった。何も返せなかった。
想像上の牛乳屋さんは木造の引き戸をガラガラっと開ける建物だったけど、
一瞬で、鉄筋コンクリートのビルに建て替わった。
大阪は、ヤクザと大学教授が同じ場所で暮らしてると言うけど、
あの時、田舎の水道屋の息子と都会の牛乳屋の息子は、確かに同じ空間にいた。
この作品には、名台詞が満載されていますが、
とりわけ感じ入ったのは、
ずっと田舎から出ないで結婚する人たちと「貴族」たちはよく似ている。
「どちらも親の人生をトレースするだけ」
ああ、私、頑張ります!