2012年 06月 18日
かねます「その2」

今治では、あまり見かけない
甘鯛を注文しました。
昆布締めした、刺身です。
「素材を生かす仕事」を知りました。
今治の魚屋さんで、よく見るオコゼ。
でも実は私、オコゼの唐揚げを食べた事がないのです。
初体験は、ぜひこのお店でと、
身を委ねました。
ハラりと揚げられた頭を、
紅葉おろしと共に口に運ぶと
何故か、大阪・南の風景が頭の中でフラッシュバック。
日本酒を常温で頂いていたからでしょうか?不思議体験です。
私の、オコゼの唐揚げのスタンダードは、このお店になりました。

そして「生うに牛肉巻き」と共に、心底驚いた料理がこれです。
「鴨蒸し」と言う名前だったと思います。
細かく叩いた鴨肉と百合根が蒸されて、あっさりとした銀餡がはられています。
そして鴨に合わせてるのが、白身の魚・あなご・海老等の魚介。
カタルーニャ料理?海の幸と山の幸の出会い?
エル・ブリのある、トップレス海岸の風景がフラッシュバック。
これは理由が解っています。
フェラン・アドリアさんが、このお店に来て、たいそう驚かれたという、
情報を得ていたからなのですね。
型に縛られず、自由に料理を考える。
目の前のカウンターの中で、黙々と仕事をされている大先輩の料理人。
この方は、どのような人生の遍歴をお持ちなのでしょうか。
夕方の4時に、スーツ姿の紳士達が店の前で開店を待ち構える。
料理を数皿、酒を何杯か頂いて、ほんの30分程で立ち去る。支払いは5千円か7千円位?。
すぐに、入れ替わりで、行列してるお客さんが入ってくる。
京都でも、大阪でも成立しない独自の世界。
東京も、新宿でも銀座でもだめで、築地が近いこの場所だけ。
おいしい料理を食べたくて集まって来るお客さん達。
そのお客さんに無言で料理を作り続ける料理人。器の中にメッセージを閉じ込めて。
そして、
その作り手のメッセージを、真っすぐに受け止める食いしん坊達がここには居ます。
by espana-miro
| 2012-06-18 16:07
| 食べある紀
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