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旧作シリーズ「シャンドライの恋」

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ビデオ屋さんでの、興味がある新作は、ほぼ全部観たので、
見逃した昔の映画を借りる事にしました。

ベルトルッチ監督の新作「孤独な天使たち」を見て
やっぱ、この人凄いわー!と、
1999年の「シャンドライの恋」です。
フィルムで紡がれた最高級の物語でした。
以前wowowで途中から見て、良く分からなかった。
ああ!もったいない。






フランス映画「屋根裏部屋のマリアたち」では、
メイドさんは、最上階に住んでましたが、
このイタリア映画では、地下です。常に主人公「シャンドライ」は見上げる立場にあります。

不器用な愛の告白。
今は使われていないリフトを、シャンドライは物置代わりに使ってるのですが、
自分の中(物置)に入ってくる彼に嫌悪感を感じます。
ピンクの花と雨音。同じくピンクのレインコートで物語を加速させます。

この後、強引な告白のシーンがあり、
「僕と結婚してくれるなら、何でも君の望みを叶えてあげる」
「ならば、アフリカの刑務所にいる夫を助け出して!」
結婚してる事を彼は知らなかったのです。


いつもシャンドライが掃除してた置物が古物店に。


人前では演奏しない音楽家です。
作曲に行き詰まる。
シャンドライが地下室で、いつも聞いてるアフリカのポップスを思い出し。。。
。。いや、彼女のために作曲を始める。
鍵盤を叩く指が同時に彼女を愛撫する、ああ!ほんまに、まさぐってますわー
素晴らしい!セックスシーンです。


気晴らしにと、ゲイの友人に誘われて飲みに出る。
ビールの泡と、床掃除の洗剤の泡。
実はピアニストもゲイ?究極のプラトニックラブ。
これは、私の勝手な解釈。(このブログのすべてが、そうですが)


私財を投げ売って、夫を助けてくれたのが、雇い主(音楽家)だと気づくシーン。
洗濯物に映り込む、鉢植えの陰。シルエットにアフリカを感じます。

この後。シャンドライの心情を表現するシーンがあり、この洗濯物(シーツ)に映る
鉢植えの陰が、同じく効果的にフラッシュバックで、使われています。
役者の表情・映像・音楽。これが、すべて。

橋田壽賀子ドラマなら、役者に2ページ分の台詞を与え、心情を演説させます。
人気作家と、アーチストとの格の違いを感じます。
是非、レンタルで一本丸々見てください。80円で借りられます。
by espana-miro | 2014-01-05 16:50 | 映画 | Comments(0)